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仕事の電話が苦手な人は意外と多い

あなたは事務所に一人

「月末だから集中して仕事を終わらせよう…」

そう思って, 仕事をやり始めた矢先, 事務所の電話が鳴る 慌てて電話を取ると,

  • セールスの電話
    だったり
  • FAX送信確認の電話…

こんな時, ちょっと”イラっ”としませんか?

現代はみんな忙しい時代です 「電話」は便利な道具に見えますが, 実は相手の時間を強制的に奪う道具でもあります
仕事が”デキる人”は, 「電話は時間を奪う道具」であると知っています ここで電話のデメリットをいくつか挙げてみましょう


それでもあなたは 電話を使いますか?

電話のデメリット

  1. 相手の時間を奪う
  2. 電話代がかかる
  3. 相手が不在では意味がない
  4. 話し中だと繋がらない
  5. 記録や証拠として残らない
  6. 情報伝達が不正確になりやすい
  7. 複数人へ共有できない
  8. 感情が入りやすく, 長電話になりがち
  9. 話の内容を理解できなかったら”バカ”と思われて恥をかく
  10. ”無知”な自分が電話に出ると 他人に迷惑をかける不安
    などなど…

電話のデメリットはいくらでも思いつきます!


メール・LINEなどの文字情報なら, そんなデメリットは一切ありません ですから, よほどの急用でもない限り, 現代の連絡手段は文字情報が最適なのです 

グラハム・ベルが電話を発明したのは1876年 150年経った今でも「電話しか使えない」のでは, 効率的な働き方とは言えません 大切なのは, 相手の時間を尊重しつつ, 自分も効率的に仕事できるよう, 適切な手段を選ぶことなのです 

デキる人の「電話7箇条」

仕事が「デキる人」「ダメな人」は, 電話対応で, すぐに分かります そんなこと言われると

  • ”バカ”がバレるのが嫌だ
  • 電話に出る自信がない
  • 他人に迷惑かけたくない

こう思うかも知れませんね でも大丈夫です あなたの能力はとっくにバレてますし, あんがい周囲の人はあなたの内面を気にしていません

そんなちっぽけなことを心配するより, しっかり学んで, ちゃんと「デキる人」になりましょう 「ひまわりメソッド」をご紹介しますね! 

基本は文字で伝える
デキる人:基本的に電話を使わない LINEやメールを使う 相手が不慣れな場合のみFAX 
ダメな人:すぐに電話する
電話は, 急用・相談・相手が文字に不慣れな場合だけ
デキる人:状況や相手に応じて, 連絡手段を効率化する
ダメな人:どんな場面でも電話を使う
まず「今お時間よろしいですか?」と確認する
できる人:相手の時間を尊重する
ダメな人:相手の都合を考えず一方的に話す
要点を手短に伝える
できる人:頭の中で要点が整理できている
ダメな人:電話が長い
相手が不在なら, 伝言を依頼する
できる人:1回で仕事を終わらせる
ダメな人:「また掛け直します」で終わらせてしまう
メモを常に準備しておく
できる人:スマホのメモを使いこなしている
ダメな人:要件を覚えようとして 結局忘れる
要件を優先し, 雑談は最小限に
できる人:仕事とプライベートをわきまえている
ダメな人:要件より雑談の方が長い

ケース別:ビジネス電話のかけ方・受け方

ケース別に, 具体的な内容をお伝えします 要点だけお伝えしますので, 何度も繰り返し確認してくださいね

かける場合

  1. 最初に必ず, 「今お話よろしいですか?」と確認
  2. 次に必ず, お客様(利用者)の名を明確に伝える
  3. 要件を端的に
  4. 相談は「A案・B案・その他」のように, 選択肢を用意しておく
  5. 依頼は必ず「締め切り」を伝える
相手が不在なら
「ご伝言をお願いできますか?」と依頼 要点はあらかじめ整理しておく 

受ける場合

内容が複雑なら
最低限「お名前」と「ご用件の概要(例:訪問時間変更のご相談など)」を正確に聞き取る
担当者が不在なら
「ご伝言を承ります」と伝える 
相手が「後で掛け直します」と言っても「ご伝言をお預かりしましょうか?」と必ず尋ねる
そうすることで, 同僚の仕事が1つ減らせる 

今日から5分で練習!「ロールプレイ」

ロールプレイをすれば, 短時間で身につきます 実際の場面を想定し, 1人でもよいので練習しましょう ポイントは, 必ず声に出して練習すること, そして実在の人の名前を使うことです 特に声出しは必ず行いましょう 早ければ1~2回で身につきますよ! 

① かける場合:相手が不在だった場合

01:あなた:「もしもし, 〇〇事業所の△△と申します ご利用者様の件でご連絡なのですが, □□様はいらっしゃいますか?」
相手:「ただいま席を外しております」
02:あなた:「恐れ入りますが, ご伝言をお願いできますか?
相手:「はい, ちょっと待ってくださいね…」「どうぞ」
03:あなた:「利用者様のお名前は◇◇様です □□様に, 本日15時の訪問を16時に変更したいとお伝えください」
相手:「分かりました」
04:あなた:「ありがとうございます それでは失礼します」

ポイント
01:「ご利用者様の件」最初に大まかな要件を伝えると, 相手は何の話か想定できるので, 結果的に時短になる
02:必ず伝言してもらう そのミッションはそれで終了する
03:要件は, 最初に「お客さまの名前」を言うと, 相手はメモをしやすい!

② かける場合:相手がいた場合

01:あなた:「〇〇事業所の△△と申します 今, お話ししても, よろしいでしょうか?
相手:「はい, 大丈夫です」
02:あなた:「□□様の件です 来月から, 月曜から水曜に変更したいとご要望がありました 理由は定期受診が入ったからです 案は2つあります 午前10時, 午後2時, もしくは別の時間が宜しいですか?」
相手:「午後2時が良いと思いますが, □□様に確認しますね」
03:あなた:「承知しました では特段連絡が無ければ, 来月より水曜14時に変更しますね」
相手:「よろしくお願いします」
04:あなた:「ありがとうございます 失礼いたします」

ポイント
01:相手の都合を聞くと, 信頼感が増す
02:要件は, 最初に「お客さまの名前」を言うと, 相手は想像しやすく, 結果的に時短になる
02:相談は「A案・B案・その他」のように, 選択肢を用意しておくと, 時短になる
03:極力, 要件は1回で済ませる

③ 受ける場合:担当者が不在だった場合

01:あなた:「はい ひまわりヘルパー▽▽です」
相手:「〇〇事業所の◇◇です △△さんはいらっしゃいますか?」
02:あなた:「ただいま外出しております 宜しければ, ご用件を承ります △△にお伝えしておきますね」
相手:「えっと…明日の訪問時間を9時に変更したいんですが, できますか?」
03:あなた:「承知しました 利用者様のお名前を聞いても宜しいですか?
相手:「□□様です」
04:あなた:「□□様の明日の訪問時間を9時に変更ですね 承りました できない場合のみ, 本日中に担当よりご連絡いたしますね」
相手:「お願いします」
05:あなた:「ご用件承りました 失礼いたします」

ポイント
02:不在の場合, 相手はすぐに切ろうとするので, 必ず要件を聞く 「△△に伝えます」と言うと, 相手は安心する
03:相手はお客様名を最後に言おうとする 伝言は必ず「お客さま名」を聞く
04:極力, 電話を1回で済ませるよう, 工夫する

✅確認チェックリスト

① かける場合:相手が不在だった場合

  • □かける前に, 頭の中で要件を整理していたか?
  • □最初に, お客様(利用者)名を明確に伝えたか?
  • □「伝言」を依頼できたか?
  • □要点だけを簡潔に伝えたか?
  • □依頼は「締め切り」を伝えたか?

② かける場合:相手がいた場合

  • □かける前に, 頭の中で要件を整理していたか?
  • □「今お話しよろしいですか」と確認したか?
  • □次に, お客様(利用者)名を明確に伝えたか?
  • □要件を端的に伝えたか?
  • □相談は「A案・B案・その他」と, 選択肢を提示したか?
  • □依頼は「締め切り」を伝えたか?

③ 受ける場合:担当者が不在だった場合

  • □相手に電話を切らせず「ご伝言を承ります」と申し出たか?
  • □「担当に伝えますね!」と相手を安心させたか?
  • □お客様(利用者)名を正確に確認したか?
  • □「締め切り」を確認したか?
  • □担当者に後で電話させない工夫をしたか?

まとめ

介護の仕事では, お客様や関係事業所, 医療機関など多くの相手と連絡を取ります その中で「電話」は便利な一方, 相手の時間を奪う手段でもあります 

デキる人は, 基本的に電話せず, 文字で済ませます やむを得ず電話をする際にも「相手の都合を尊重する」「要点を端的にまとめる」「伝言を正確に残す」「手間をかけない」といった基本を徹底しています 

電話対応で大切なのは「時短」と「正確さ」です 忙しい現場では, 相手の時間を無駄にせず, 必要な要件をきちんと伝えることが信頼につながります ちょっとした工夫で, 会話はぐっとスムーズになり, お互いに気持ちよく仕事が進められるはずです 今日から意識してみるだけでも, 電話のストレスはずいぶん減りますよ!