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※このコンテンツには少なからず猥談が含まれます 苦手な方は目次から気になる内容だけご覧ください

全部「性欲」で片付けていませんか?

介護の現場では, 少なからず「性的衝動」が原因となって対応に困った経験があると思います しかし「性の話」現場でも話題にしにくいテーマではないでしょうか?

学生時代なら学校で「性教育」に触れる機会があります しかし大人になると「性的衝動」をすべて「性欲」として一括りにし, できれば触れずに済ませたい話題になりがちです しかし

男性はいつまで性欲があるの?
閉経後の女性の性は?
性欲がある人/ない人の違いは?
不倫はどう考えればいいの?

こういった内容は習いませんし, 大人になったからこそ知りたい疑問も湧いてくるでしょう

今回は「性的衝動」というテーマに正面から向き合い, 善悪・年齢・男女論から切り離して整理していきます

なお今回は長い内容ですので, テンポよくどんどん進んでいきます 時間の無い方は, 何回かに分けてご自身のペースで見てくださいね

目次

そもそも「性的衝動」とは?

一言に「性的衝動」といっても, 実際にはいくつかの異なる欲求が含まれています そのため俗にいう「性欲」は限定的な意味として扱い, 本稿ではより広い概念として「性的衝動」を用います

本稿における「性的衝動」は次のように整理されます

性的衝動に含まれる主な要素
① 性欲(エロ)
 SEX(性行為)をしたいという衝動
② 相手の性的魅力の評価(下ネタ)
 顔立ちや体つきなどに「性」としての魅力を感じる反応
③ 自己確認欲求(自分はまだイケてる?)
 性的存在として扱われたい 価値ある存在として見られたいという欲求
④ 近接欲求(これくらいならOK?)
 自己確認欲求が行動として表れ「特別扱いされたい」「距離を縮めたい」「触れたい」と感じる衝動
⑤ 習慣的反応(若い時は…)
 過去の価値観や行動様式が残り 無意識に言葉や態度として表れる反応

社会生活との関係

人はこれらの衝動に対して

  • 社会的判断
  • 理性的判断
  • 状況的判断

を行うことで, 日常の社会生活を成り立たせています 俗にいう性に「積極的」か「奥手」かは, 当人のこの判断結果によって決まります

本稿で扱う視点

本稿では特に

  • ① 性欲(エロ)
  • ② 相手の性的魅力の評価(下ネタ)
  • ③ 自己確認欲求(自分はまだイケてる?)
  • 〇 社会的・理性的・状況的判断(積極的 or 奥手)

この4点に焦点を当てて解説します

そして「性的衝動」を

性欲=善 or 悪
   若者 or 高齢者
   男性 or 女性

といった単純な枠組みではなく

ホルモン分泌によって生じる衝動と, それを制御する理性的判断の構造

として説明していきます

性的衝動 ≠ 悪

性の経験が豊富な人が「どこか”マウント”をとる」 つまり, 優位に立つような態度をとるように思えたことはありませんか?
一方で, こういう話題に過剰に反応し, すぐに否定に走る「ポルノ警察」のような人もいます

言うまでもなく「性的衝動」そのものは, 善でも悪でもありません 人が社会生活を送る上で必須とさえ思います

しかし子づくり以外のSEXについて, 社会の中で語られることが少なく, ときに強い嫌悪感を示されることも… 私自身も, 個人的な話をしたいとは思いませんし, 多くの方が「恥ずかしい」と感じるでしょう
でも, それはなぜでしょうか?

それは
性が極めてプライベートな内容であること
そして, 衝動が暴走した場合の社会的リスクが大きいことを, 私たちが無意識に理解している

からだと考えられます

だからこそ「隠しておくもの」として扱われてきました

介護視点で理性的に考えると, 大切なのは
性的衝動は善でも悪でもなく, 自然なものである
と整理しておくことです

自分の経験は役に立たない

個人差が非常に大きいからこそ
性的衝動に限らず, 性欲そのものも, 年齢や性別だけでは割り切れません

世の中には, 年齢別・性別ごとの「平均値」を示すデータが確かに多く存在します
しかし現実には, 高齢者で性欲が強い方や, 女性で性欲が旺盛な方は確実に存在します しかも, それは決して珍しいことではありません

では平均値から外れた人は「異常」なのでしょうか? もちろんそんなことはありません データ上の平均と実際の姿には, 少なからず乖離があるのです

性欲は「促進するホルモン」と「抑制するホルモン」このバランスの上に成り立っています
このバランスは非常に繊細で, 個人差がとても大きいものです

例えば…

  • 促進ホルモンの分泌が少なければ, 若い男性でも性欲はない
  • 男性の射精と促進ホルモン分泌の独立性は高いため, 射精できない高齢男性でも性欲が強いことはあり得る
  • 出産に適した女性でも, 抑制ホルモンが多ければ, 性欲はほぼない
  • 閉経後女性でも, 相対的に促進ホルモンが多ければ, 性欲旺盛
  • 促進ホルモンが多い女性でも, 過去の経験から性的欲求がない

こういうことは, 十分あり得ます

そのため, 男性か女性か, 若いか高齢かといった属性だけで, 性欲や性的衝動を判断することはできません 年齢や性別は, 決定的な要因ではないと考えてよいでしょう

介護の視点で大切なのは, 他人の「性的衝動」を考えるときに, 自分自身の経験や感覚を基準にしないことです この点を, 決して忘れないようにしなければ, 理性的な判断はできません まず意識しておきましょう

性欲とは何か?

冒頭で述べたとおり, 本稿では「性欲」とは, SEX(性行為)をしたいという衝動として捉えます

「性欲」は, 主にホルモン分泌によって生じる衝動 意外に思われるかもしれませんが, 相手が実際にいなくても分泌されることがあります この場合, マスターベーションという行動をとる場合があります(自慰行為を笑いものにしてはいけません)

性欲に関与する主なホルモン

  • 男性
    • テストステロン→ 性欲に強く関与
  • 女性
    • テストステロン→ 性欲に関与
        +
    • エストロゲン(卵胞ホルモン)→ 性欲そのものではなく「感じやすさ」「受容性」を高める

女性特有の「ブレーキ」

女性には, 性欲を抑える方向に働く抑制ホルモンもあります

プロゲステロン(黄体ホルモン)
 → 月経前後などに増え, 性欲が下がりやすくなる要因となる

「性欲」のポイント

男性と女性の性欲の違いを整理

男性の性欲
 → テストステロンの分泌量の影響を比較的直接的に受けやすい

女性の性欲
 → テストステロンが分泌されていても, 排卵のタイミング・心理状態・相手との関係性・ストレスなどが強く統合されて決まるため, 結果として性欲が抑えられやすい
  1. 「性欲」は「気持ち」だけでなく, 「ホルモン分泌」という生理的な仕組み
  2. 男性の性欲は, テストステロンの分泌量
  3. 女性の性欲は, 一つのホルモンでは説明できない
  4. 「性欲がある・ない」を性格や年齢の問題にしてはいけない

射精しない男性にも, なぜ性欲がある?

「射精」と「性欲」は, 同じものではありません 「性欲」は, テストステロンの分泌によって生じる衝動 一方, 射精は, 神経や筋肉が関与する身体的な反射反応です

そのため, 加齢や治療, 薬の影響で射精が起こらなくなっても, テストステロンが分泌されていれば, 性欲は残ることがあります

射精は身体反応 性欲はホルモンによる衝動 両者は一致しないことがある

閉経後の女性にも, なぜ性欲がある?

閉経により, 卵巣由来のエストロゲンは大きく減少するため, 性欲が低下する人が多数派です

しかし一方で, 性欲がゼロになるわけではない人も少なくありません

その理由は, 主に次の点にあります

  1. 副腎由来のテストステロンが分泌され続ける
  2. 末梢組織でのエストロゲン産生が残る
  3. エストロゲンの減少で, 少量のテストステロンでも相対的な影響が大きくなる
  4. 妊娠リスクが消失することによる心理的ブレーキの低下
  5. これまでの経験や関係性による「快楽」の学習効果

閉経後も, ホルモン・心理・経験の影響により, 性欲が残る女性は珍しくない

この理解があると, 閉経=性欲ゼロという誤解を避けることができます

「SEX」に至る一般的プロセス

少し生々しい話になりますが, 以降の説明に必要な前提として, ここで整理しておきます

SEXという行動は一般的に次のようなプロセスを経て成立します

SEXに至る基本構造

① 性欲=エンジン

② 相手の性的魅力の評価=ハンドル

〇 社会的・理性的・状況的判断=ブレーキ

各要素の説明

① 性欲の萌芽(エンジン)

性欲は, 主にテストステロンの分泌に影響されて生じます いわば, 行動を動かすためのエンジン役

② 相手の性的魅力の評価(ハンドル)

その性欲が「誰に向くのか」「ふさわしい相手か」を選別します 好みや魅力を見分ける段階で, いわば方向を決めるハンドル役

〇 社会的・理性的・状況的判断(ブレーキ)

ここで次のような理性的判断が行われます

  1. 相手の年齢は適切か
  2. 同意はあるか
  3. 不倫や立場上の問題はないか
  4. 場所や状況はふさわしいか
  5. 今, この行動をとってよいのか

等など, これらを総合的に判断し, 行動に移すかどうかを制御するブレーキ役を果たします

この整理が意味すること

このプロセスを理解すると

  • 下ネタが多い人
  • エロ本を隠し持っている人

といった行動も「性欲」そのものだけでなく「どの段階が強く, どの段階が弱いのか?」という視点で説明しやすくなります

つまり, 「下ネタが多い人」「エロ本を隠し持っている人」のどちらも, 性欲が強いとは断定できないし, あなたに手を出したいと思っているか限らないということです

以降, これを根拠に説明することのある非常に大切なパートです 見逃した方は, きちんと理解しておいてくださいね そうじゃないと、「ポルノ警察」になってしまいますよ!

「愛のないSEX」はありうる?

これは倫理的な規範に関わりますので、嫌悪感を抱く人もいるでしょう 善悪は別としてそのまま受け止めて下さいね

残念なことに, 愛のない性交はあり得ます ただしその成り立ち方は, 男性と女性で異なります

男性の場合
神経反射が正常であれば, 強い欲情や愛情がなくても, 射精に至ることは可能

女性の場合
多くの場合, 情緒や相手との関係性がブレーキとして働き, 愛情や安心感がないと行為に至りにくい傾向がある
一方で, 排卵期に伴うテストステロンの一時的な上昇などにより, 愛情とは切り離された性交が成立する少数のケースもある

「愛のない性交は成立し得るが, その成立条件は, 男性と女性で異なる」
この整理は, 性欲=愛情という誤解を解くための重要な視点になります

「不倫」をどう考える?

結論を先にいうと「他人から相談を受けた場合は, とりあわないか, 『やめた方がいい』の助言が無難」です これは本題からやや外れますので, 簡単に整理します

「不倫」の定義は曖昧ですが, 法律上の「不貞行為」とすると, 配偶者以外の異性との「自由な意思で性交渉・性交類似行為」を指します

「善/悪」という審判的な視点で捉えず 社会的文化的背景をいったん忘れて考えると, 生物学的には人間は「一夫一婦制がデフォルト」が主流ですが, 平均から外れる人が一定数存在するのは自然なこと 「愛情」「色恋沙汰」「性欲」の関係から, 不倫は成立する場合があります

しかし, 性的衝動は個人差が非常に大きく, どんなに無二の親友であっても, 他人は不倫当事者の気持ちを理解できることは絶対にありません 要するに, 不倫は一定数存在するが, 正当性の言語化はほぼ不可能

しかも, 「社会的・理性的・状況的判断」を長期間にわたって保ち続けられる人は稀なので, 絶対にバレます

平たく言えば,

  • 不倫は必ず存在するが, 絶対にバレる
  • するなら誰にも相談せず, 円満な出口戦略を
  • 相談を受けたら,「とりあわない」か「『やめた方がいい』の助言」が無難

ということです 下手すると, 善意で相談を受けたあなたまで責められますよ!

これってどうなの?「性」にまつわるFAQ

イケメンや美女の画像・動画を見るのは「性欲」?

A.そうである人もいれば, そうでない人もいる どちらもあり得る

他人の顔立ちや体つきの特徴に惹かれる反応は, 「性的衝動」の②「相手の性的魅力の評価」に該当します だからといってテストステロンの分泌が伴っていなければ, それはほぼ「性欲」とは言えません 皆さんだって, スマホに画像を設定している人, いますよね? それと同じこと

つまり「惹かれる人物はいるが, 欲情はしない」という状態は, 十分に成り立つのです

この視点で考えると

  • 夫が若い人のグラビア写真を持っていても, それだけで「いやらしい」とは限らない
  • 妻に推しのアイドルがいても, それだけで配偶者への関心が失われたとは断定できない
  • 通りすがりの魅力的な人に目を奪われても, 恋人への愛情が無くなったわけではない

ただし, どちらもあり得る

つまり, 他人に興味を示していること自体は, エロさや関係性の破綻を示す証拠にはならないということです

高齢者がエロ本を持ってるのは「性欲」?

A.「昔の名残」である場合が多い

もちろん性欲が残っている場合もありますが, 所持していること自体は, 性欲があることの証拠にはなりません 「性的衝動」には①「性欲」以外にも, ②「魅力評価」や, ③「自己確認」, ⑤「習慣的反応」などが含まれます

特に高齢者の場合、若い頃に形成された

  • 価値観
  • 行動のクセ
  • 「自分はこういう人間だ」という自己像

これらがそのまま残り, 惰性や習慣として所持が続いているケースが少なくありません それは現在の欲求というよりも, 過去に作られた脳の中の回路の残響です ”へそ”が「胎児の名残」であるように, エロ本の所持もまた, 「若い時代の名残として残っているだけ」ということがあります

介護視点では「過去の生活歴」も重視するのに, なぜエロ本だけ過剰反応するのでしょう? 目に見える「所持物」だけで, 現在の性欲や性的衝動を判断しないことが大切です この理解があると, 不必要な誤解や過剰反応を避けやすくなります 間違えても捨てたり”イジっ”たりしてはイケませんよ!

“恋バナ”好きは「性欲」?

A.”恋バナ”と「性欲」は別モノ

俗に「恋愛厨」と言われることがありますが, いわゆる”恋バナ”が好きな人は, 年齢に関係なく, どこにでもいます 中には, すでに相手がいるにもかかわらず, “恋バナ”好きなもいるでしょう

  • 「性欲」とは, テストステロンの分泌に影響される生理的な衝動
  • 「恋バナ」「色恋沙汰」は, 好意・憧れ・親しさといった感情的・心理的な要素が多く含まれる

もちろん、色恋沙汰と性欲が一致する場合もありますが, 親しげな態度や恋愛感情のような言動が見られたからといって, それだけで「性欲」の表れだと判断することはできません

“恋バナ”は感情の問題であり, 性欲はホルモン分泌による生理的衝動

ヘルパーに手を出す高齢者は「性欲」?

A.高齢者の性的行動は「性欲」とは限らない

俗にいう「エロG」「色ボケBBA」は別として, 頭はしっかりしているのに手を出してくるお客さま, いますよね? それは, 「④近接欲求」の可能性もあります

ここで, 性的衝動の主な要素から行動のパターンを整理してみましょう

性的衝動の主な要素
① 性欲:SEX(性行為)をしたいという衝動
② 相手の性的魅力の評価:顔立ちや体つきなどに「性」としての魅力を感じる反応
③ 自己確認欲求:性的存在として扱われたい 価値ある存在として見られたいという欲求
④ 近接欲求:自己確認欲求が行動として表れ「特別扱いされたい」「距離を縮めたい」「触れたい」と感じる衝動
⑤ 習慣的反応:過去の価値観や行動様式が残り 無意識に言葉や態度として表れる反応
〇 社会的・理性的・状況的判断

①+②+〇の場合

①性欲があり, ②ヘルパーに魅力を感じ, 〇判断力低下により, ヘルパーに手を出す場合は, 性的逸脱行為です 会社のセクハラ規定に基づき対処しましょう

①のみの場合

①性欲だけがある場合は, 誤解を受けやすいですが, 多くの場合, 行動には至らず, 空想やエロ本だけにとどまりやすいです 実は大した問題にはならないことが多いのです

②+〇の場合 ④になる

手を出した時点で, 逸脱行為ですので, 対処しますが, 介護視点としては一考の余地があります

①性欲は薄いが, ②ヘルパーに魅力を感じ, 〇判断力低下すると, ヘルパーに触ったり, 卑猥な発言をするといった行動が起きやすくなります

これは, 加齢によって身体的にも社会的にも影響力が低下する中で「自分はまだ異性として価値ある存在なのか」「自分はまだ通用するのか」といった思いから, 「特別扱いされたい」「距離を縮めたい」「触れたい」という衝動が生じ, 相手の反応を通して「どこまで許されるか」を確かめている状態です この場合, 講堂の本質は①性欲というよりも「自己確認を目的とした境界侵犯」として現れていることも少なくありません 介護目線としては, 感情的な判断で決めつけるのではなく, 構造的に対応する視点が重要です

性欲が強いと長寿って本当?

A.ウソ 長寿だから「性欲」が残っていることが多い

長寿と性欲については, 一定の相関は指摘されていますが, 因果関係を示す明確な証拠はありません つまり, 性欲が強いから長寿になるのではなく

心身が比較的健康で寿命が長い人が, 結果として性欲を保っていることが多い

と考える方が自然です とても当たり前のことですね ですから, 「性行動をとれば長寿になる」というわけではありません 誤った健康神話を避けるために重要な視点です

射精は健康にいい!?

A.ウソ 因果関係は証明されていない

射精頻度と前立腺がんなどとの相関を示す研究はありますが, 射精が健康を良くするという因果関係は証明されていません 射精をしなくても精子や精液成分は体内で再吸収・分解されるため健康上ほぼ問題はありません

影響が出るとすれば、主に心理面です 性的緊張の蓄積やイライラなどを感じることはあります

ちなみに, 長期間射精がなくても一時的な変化が起きるだけで, いざという時に出なくなることはありません

介護目線でのポイントとしては, 射精やマスターベーションに「善悪」や「嫌悪感」を示さないことが大切です

今は「性」にオープンな時代?

A.おそらく「今も昔も大きくは変わらない」

「昔は性にオープンだった」「現代は婚外SEXも容認されている」
こうした言説はありますが, 時代を比較できる客観的データはなく推測の域を出ません そもそも「昔」とはいつを指すのかも曖昧です

少なくとも江戸時代には, 女性の胸は現在ほど性的対象(エロ)ではなかったことは, 浮世絵や春画からある程度読み取れます 一方で, 陰部を隠すという感覚は, どの時代・どの文化でも共通しています

胸が性的興奮の記号として固定されたのは, 概ね1950年以降です そのため戦後生まれの高齢者についてはこの価値観を前提に考える必要があります

ただし, 性に対する意識は個人差が非常に大きいもの 根拠のない「時代論」に惑わされず, 目の前のお客さまを基準に判断することが大切です

「不倫」はタブーではない?

A.おそらく「今も昔も大きくは変わらない」

「今はオープンな時代」「戦前は保守的」は思い込みだと思われます 一般人のデータが無いので単純な比較はできません 性に対する意識は個人差が大きいので, 目の前のお客さまを基準に判断しましょう

お客さま同士の「行為」どうする?

A.関知しないのがベスト

訪問介護としての仕事の範疇を超えています 放っておきましょう 下手に関知すると, 巻き込まれます

従業員同士の「恋愛」or「不倫」どうする?

A.関知しないのがベスト

「恋愛」であれば応援したい!という人もいるでしょうが, 個人差が大きすぎるので, 関知しないのが最適解だと考えます

あなたが当事者の場合も同様 自由恋愛には誰も”とやかく”いう権利はありませんが, 「不倫」は全くおススメしません 理由は「不倫をどう考える?」をみてくださいね

まとめ

今回は「性欲」を善悪・年齢・男女論で判断するのではなく, 介護現場で理解するための構造として整理してきました

  • 性的衝動は, 性欲(ホルモン)・魅力評価・自己確認欲求・理性や状況判断
    これらが組み合わさって現れます
  • 高齢者の言動は, 必ずしも性欲だけが原因とは限りません
  • 特に現場で問題になる行動の多くは, 自己確認や境界侵犯として現れるケースです。

大切なのは, 決めつけず, 感情的にならず, 構造的に理解すること

その上で

  • 越えてはいけない線は明確に引く
  • 容認ではなく「受容」にとどめる

この姿勢が, ヘルパーを守り, 現場を安定させる対応につながります

高齢者の性は「問題」ではなく, 理解と線引きが必要な「現場の現象」である そう心得ましょう