「心臓マッサージは、強く・速く・絶え間なくが基本」「AEDがあればまず先に行う」
AEDとは?
AEDとは、止まった心臓を動かす機会ではなく、心室細動(簡単に言えば、心臓の痙攣)を止める機械である。したがって、AEDの後は、心臓マッサージ(胸骨圧迫)を行う。
AEDがあれば先に!
AEDが現場にある場合は、まずAEDを先に行う。
寝ているのか呼吸しているのかわからない場合、躊躇せず、とにかく胸骨圧迫を行う。大丈夫な方は、途中で気が付いたり、動いたりする。なお、「死戦期呼吸」は口だけ動いているが、呼吸はしていない状態をいい、呼吸の確認は、とにかく胸と腹を目視すること。
ペースメーカーがある方は、埋め込まれている場所からずらして、AEDを装着。あとは、AEDの手順どおりに行えばよい。
とにかく落ち着いて、不明な点は司令室(119番)に相談
交通事故や高いところからの転落等、地面にべっとり大量の血が出ている場合は、不用意に動かさない方がよい場合もある。不明な点は、指令室に相談。とにかく、落ち着いて119番することが大切である。なお、携帯電話からは、119番だけをおせばつながる。
山間部等の遠方の場合は、家族が病院に直接運んだほうが早いので、救急車を使わないほうがいい時もある。また、延岡市であれば、みんな総合病院である県病院を指定したがるが、各専門の病院が良い場合もある。
心臓マッサージの注意点
胸骨圧迫(心臓マッサージ)は、正常な心臓の動きに比べて、25%程度の効率しかない。したがって、ベッド上では胸骨圧迫はしない。なるべく下が固いところで行うこと。
胸椎圧迫(心臓マッサージ)は胸の左(心臓の位置)ではなく、中央の胸骨を掌の拇指球で押す。1分間に100回、深さ5cm、30回が1セット。
案外速く、強く、多くやらなければならず、それなりの体力が必要。胸骨圧迫で「骨が折れるのでは?」と心配するかもしれないが、骨折はいずれ治る。それより救命を優先する。
人工呼吸
人工呼吸の際は、できれば胸と腹を見ながら、空気が入っているのを確認しながら行うとよい。高齢等で歯がない方は、うまく空気を入れる事が出来なければ、人工呼吸は無理に行う必要なく、心臓マッサージ優先する。また、義歯(入れ歯)は特に外す必要なし。見た目に外れており、簡単にすぐとれる場合のみ取って行う。
心臓マッサージの手順
- 環境確認(近づいて安全か?など周囲を確認する)
- 患者に近づく
- 呼びかけ(補聴器の確認、肩口をたたくなど、ある程度の痛みの刺激)
- 何らかの反応がなければ、ただちに助けを呼ぶ(119番に連絡、AEDの手配)
- 衣服を脱がせ、呼吸確認(胸と腹を目視するため、10秒のみ)
- 呼吸がなければ、躊躇せず心臓マッサージ(100回/分)
- 気道確保し、2回人工呼吸
- 以降、救急隊が到着するまで6、7を繰り返し