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事故発生時の判断基準(お客・従業員の別を問わず)
1.生命
2.重篤(死の危険が切迫)
3.重症(生命の危険がある)
4.中等症(入院が必要)
5.軽傷・財産・人権
6.従業員や会社の名誉・財産

人的な事故に限らず 自然災害・感染症などすべてにおいてこの順番で優先度を考えてください

訪問介護の事故ランキング

幸運なことに 当事業所に今のところ重大事故はありません
ここに挙げているのは これまでの介護経験を踏まえた私的な訪問介護の事故ランキングです

  1. 訪問忘れ・間違い
  2. 訪問しても返事がない
  3. 紛失・破損
  4. 徘徊
  5. 自動車事故
  6. 転落・滑落
  7. 薬の誤り
  8. 感染症
  9. 誤飲・異食
  10. 食中毒

1位 「訪問忘れ」時のマニュアル

「いつもと違う」と感じたら!

ヘルパーの動き
1.スマホで訪問予定を確認
2.提責に連絡(電話推奨)
3.いなければ 事務所・会社に連絡・相談・ケアマネ等

※ 勤務日は急な要請に対応できる心構えを!
サービス提供責任者の動き
1.訪問忘れの連絡を受けたら 即座に確認
  (システムの提供票・支援記録・LINE WORKS等)

【こちらの誤りだった場合】
2.即座にお客さまに連絡し 訪問調整

【お客さまやケアマネの誤りだった場合】
2.その旨を伝え 訪問が必要であれば訪問調整

※ 事実関係をすぐに確認できる体制づくりを!
・変則的な予定の前後は特に注意する
・緊急時の連絡方法は LINEではなく「電話」(スマホ手当の意味を考えよう)
・8-18時はいつでも電話に出られる心構えを
・急な要請にも対応できる心構えを
・事実関係をすぐに確認できるようスマホやシステム操作に慣れておく事

2位 「訪問しても返事がない」時のマニュアル

「中で倒れてないか?」を最優先に考える

ヘルパーの動き
1.在宅・不在の判断
2.スマホで訪問予定を確認
3.提責に連絡(電話推奨)いなければ 事務所・会社・ケアマネ等
4.本人に電話をかけながら 15分程度 本当に中で倒れていないかの情報収集
5.15分経過したら 不在票を残して退出

※ 中で倒れていないか の確認を最優先に
サービス提供責任者の動き
1.連絡を受けたら 即座に確認
(システムの提供票・支援記録・LINE WORKS・ケアマネ・家族に連絡)

【不在の確認が取れた場合】
2.ヘルパーに退出の指示 キャンセル料の記録

【不在の確認が取れない場合】
2.ケアマネ・家族に相談 必要に応じ119番に連絡し 安否確認

※ 中で倒れていないか の判断を最優先に
・とにかく 中で倒れていないかの判断を
(電灯・居間のテレビの音・声かけへの返答・人影など)
・中で倒れていたら 躊躇せず救急に連絡
・不在の理由をあらかじめ想定しておく
(デイの予定変更・病院・旅行・銀行・理美容室・親戚・買い物・パチンコ・敬老会)
・自転車・シルバーカー・車いす・自家用車などを確認

3位 「紛失・破損」時のマニュアル

「いつもと変わったことをしない」が最大の対策法

ヘルパーの動き
1.過失の判断
2.謝罪・提責に連絡(電話推奨)いなければ 事務所・会社・ケアマネ等
3.破損の場合は写メを撮っておく
4.引き続き業務
5.クレームがあった際には 傾聴(個人的な弁償は絶対にNG)

※ 信頼関係ができていたらクレームにはならない
サービス提供責任者の動き
1.ヘルパー連絡を受けたら 過失の判断
2.ヘルパーに通常業務の指示
3.お客さまに即連絡し 傾聴
4.クレームに発展したら できるだけ早く訪問し対応する

※ 過失の有無を即座に判断する
・弁償になることは通常ありえないと心得る
・クレームはスピード勝負 できるだけ早く対応する
・弁償となる場合は主に次の通り
業務外の行為・故意・通常使わない用具(高価な皿など)を意図的に使用
・自家用車で起きた場合は 自家用車の保険が優先
・万が一 弁償の際は 会社の損害保険が適用される
・物盗られ妄想があるお客さまはあらかじめ情報共有しておく

4位 「徘徊」時のマニュアル

「お客さまの安否確認」が最優先事項

ヘルパーの動き
1.訪問予定を再確認 病院やデイに行ってないか?
2.提責に連絡(電話推奨)いなければ 事務所・会社・ケアマネ等
3.移動手段・近隣住民等の聞き取り
4.室内や近隣を捜索
5.15分経過したら 不在票を残して退出

※ 「お客さまの心の中では理由がある」と心得ておく
サービス提供責任者の動き
1.ヘルパー連絡を受けたら まずは予定の再確認(病院やデイの可能性はないか等)
2.緊急連絡先・ケアマネ等に確認
3.ヘルパーに捜索指示
4.発見の連絡を受けたら 外傷や病状等の確認

【安否確認が取れない場合】
・家族・ケアマネと相談し 必要に応じ警察に連絡

※ 日頃の行動パターンの情報を収集しておく
・外傷や病状の悪化がないのかを確認する
・買い物・パチンコ等 行動パターンを日頃から情報収集しておく

5位 「自動車事故」時のマニュアル

自他関わらず「人命」が最優先

ヘルパーの動き
1.落ち着く
2.安全な場所に車をとめてエンジンを切る
3.負傷者の確認(自分も含め)
4.動かしてよい状況なら 負傷者を安全な場所に移動
(頭部からの大量出血の際は動かさない)
5.119番に電話 かつ「心肺蘇生」
6.警察に電話(通行人等に依頼しても可)
7.保険会社に電話
8.相手の情報や事故現場・破損個所など写メを撮っておく
9.提責に連絡(電話推奨)いなければ 事務所・会社・ケアマネ等
10.余裕があれば 事故の状況や破損箇所の写メを撮っておく
11.事故対応を行う
12.忘れないうちに 必ず記録に残す

※ とにかく「落ち着き」二次被害を起こさないこと
サービス提供責任者の動き
1.ヘルパー連絡を受けたら まずは落ち着く
2.情報を的確に把握する
3.ヘルパーに人命救助の指示
4.ヘルパーができなければ「119番」「110番」へ要請し 現場に行く
5.緊急連絡先・ケアマネ等に確認
6.代替ヘルパーの手配
7.事故状況等の記録をまとめておく
8.家族やケアマネ等の対応

※ 日頃から優先順位等のシミュレーションをしておくとよい
・人身事故を起こしたら「懲戒解雇」 絶対事故を起こさないように
・次に買う車は「運転支援機能」を強く推奨
  軽自動車:日産デイズ・三菱eKクロス・ホンダN-WGNなど
・自家用車の事故は 車の保険が優先される

6位 「転倒・滑落」時のマニュアル

床の新聞紙や電気コードなどの「小さな違い」が違いを生む

ヘルパーの動き
1.落ち着く
2.まず頭部打撲・外傷・意識レベルの確認
3.動かしてよい状況なら 安全な場所に移動
(頭部からの大量出血の際は動かさない)
4.119番に電話 かつ「心肺蘇生」
5.提責に連絡(電話推奨)いなければ 事務所・会社・ケアマネ等
6.その他の外傷確認・バイタルサインのチェック
7.応急処置を行う
8.余裕があれば 転倒状況や負傷箇所の写メを撮っておく
9.支障なければ通常業務に戻る
10.忘れないうちに 必ず記録に残す
11.退出前に 「当日の入浴中止」「気分不良時は即連絡する」旨を伝える

※ 「安静」「冷却」「圧迫」「挙上」の基本を忘れずに
サービス提供責任者の動き
1.ヘルパー連絡を受けたら まずは落ち着く
2.情報を的確に把握する
3.ヘルパーに心肺蘇生の指示
4.ヘルパーができなければ「119番」「110番」へ要請し 現場に行く
5.緊急連絡先・ケアマネ等に確認
6.代替ヘルパーの手配
7.事故状況等の記録をまとめておく
8.家族やケアマネ等の対応
9.当日・翌日の病院受診を勧める
10.6・12・24時間後 の安否確認をする事

※ 頭部打撲は遅発性(6~24H後)の症状がよくある 
・頭部の遅発性の症状には細心の注意を
・家ごとの救急箱の確認をしておく
・ある程度の救急キットを常備しておくのも手
・簡単な応急処置・病気の理解をしておくこと

7位 「薬の誤り」時のマニュアル

過去3年で2回発生しています
「誤薬より飲まない方がマシ」与薬前の指差し確認を徹底

ヘルパーの動き
1.誤薬に気づいたら 除去できる場合は除去する
  軟膏なら洗う 貼付薬なら剥がす 口から出してもらう など
2.飲み込んでしまった場合は 提責に連絡(電話推奨)
  いなければ 事務所・会社・ケアマネ等
3.バイタルサインのチェック
4.状態変化があった場合 119番に連絡 応急処置

※ 事前の確認がすべて
サービス提供責任者の動き
1.どの薬をどうしたのか どうやって誤薬に気づいたのかなど 情報を正確に把握
2.本人状態に応じ 指示 必要に応じて「119番」等
3.緊急連絡先・ケアマネ等に確認
4.必要なら病院に連絡して支持を仰ぐ
5.必要に応じ病院受診を依頼する

※ 薬事情報を備えておく
・ヘルパーは薬の仕分けをしてはならない
・仕分けされた薬を本人に渡すのが基本
・事前の指差し確認が 非常に有効
・薬事情報を備えておくのも有効

8位 感染症

「感染症」はすぐには分かりません
感染症予防対策マニュアルを参考に 予防に努めてください


9位 誤飲・異食

当事業所での報告はありません
誤飲とは食べ物ではないものを誤って飲み込むこと
誤嚥は 食べ物等が気管に入ってしまうことです
誤飲・異食時は 「薬の誤り」を参考にしてください


10位 食中毒

当事業所での報告はありません
「感染症」同様 事後すぐには判断できません
食中毒予防対策マニュアルを参考に 予防に努めてください