はじめに
パソコンやインターネットを使うときには,IDとパスワードの管理がとても重要です.でも,複雑なパスワードを覚えるのは大変ですよね.しかも,種類ごとに別々のパスワードが必要だなんて,考えただけでも大変です.ここでは,ITの初心者でも簡単に作れて,忘れにくいパスワードの作り方を紹介します.
パスワードあるある
- パスワードを「123456」にする:2021年に発見された情報漏洩事件では,1位に「123456」が使われていたそうです.
- 名前や生年月日,電話番号にする:そして,スマホに「それはダメです」と叱られる.
- 銀行の暗証番号「数字4桁」と混同している.
- システムによって使える文字が違う:マイナンバーカードでは,なぜかアルファベット大文字しか使えず,「なんでやねん!」と思ったのは私だけでしょうか? システムによっては,逆に大文字と小文字を入れなきゃならないし,大文字・小文字・数字だけではダメで,記号も入れなきゃいけなかったり….
んもぉー,いやな時代になったものですね..
そもそも,IDとパスワードって何?
IDとは?
ID(アイディー)は,英語の「identifier=アイデンティファイア(識別子)」の略です.インターネットやパソコンのシステム上で,あなたを特定するための名前や番号のことを指します.IDとは要するに「名前」のこと.ユーザー名とも呼ばれます.
- 例1:メールアドレス(例:yourname@example.com)
- 例2:ユーザー名(例:yourname123)
- 例3:会員番号(例:123456789)
IDは,他の人と同じIDを持つことはできません.これにより,システム上であなたを正確に識別することができます.
おすすめは,IDをすべてメールアドレスなどに統一することです.多くのシステムは,IDを変更することができます.
セキュリティーの問題?大丈夫です.パスワードさえ破られなきゃいいんです.
パスワードとは?
パスワードは,IDと組み合わせて使われる「鍵」のようなものです.パスワードは,あなたのアカウントにアクセスするために必要な秘密の文字列です.これにより,あなたのアカウントを他人が勝手に使えないように保護します.
- 例1:8文字以上のアルファベットと数字の組み合わせ(例:Abc12345)
- 例2:特殊文字を含む(例:Pa$$w0rd!)
パスワードは,覚えやすいけれども他の人には推測されにくいものにすることが重要です.
IDとパスワードの関係
IDとパスワードはセットで使われます.IDはあなたのアカウントを特定し,パスワードはそのアカウントを保護します.例えば,オンラインショッピングサイトにログインするとき,以下のように使います.
- ログインページでIDを入力
- あなたのメールアドレスやユーザー名を入力します.
- 次にパスワードを入力
- あなたの秘密のパスワードを入力します.
これらを入力することで,システムはあなたが本当にそのアカウントの持ち主であるかを確認します.
IDとパスワードの意味 分かりましたか?
IDは,システム上のあなたの名前や番号であり,パスワードは鍵です.この二つをセットで使うことで,あなたの個人情報やアカウントを安全に保つことができます.パソコンやインターネットを安全に使うために,IDとパスワードの管理をしっかりと行いましょう.
簡単で忘れにくいパスワードの作り方
それでは,具体的なパスワードを作っていきましょう.
身近なフレーズを使って,下準備する
自分だけがわかる簡単なフレーズを使いましょう.例えば,「わたしのパスワードはりんごです」.このフレーズの各単語の頭文字を使ってパスワードを作ります.
- フレーズ: 「わたしのパスワードはりんごです」
- 頭文字: 「わパり」→「wapari」
数字を加える
数字を加えて,さらに安全性を高めましょう.自分にとって覚えやすい数字をフレーズに組み合わせます.ただし,自分の誕生日,電話番号の下4桁,車のナンバー,アパートの部屋番号,連続番号,ぞろ目などはNGです.使うなら,和暦にしましょう.それも,夫婦の和暦や子供の和暦を組み合わせるといいですね.ここでは仮に自分と子供の和暦を使います.
- 例:「自分の誕生年:平成5年→05」「子供の誕生年:平成31年→31」=0531
- パスワード:「わパり」に加える →「wapari0531」
マイナンバーカードのパスワードなら,これでおしまいですね.
記号を加える
記号を加えることで,さらに強力なパスワードになります.覚えやすい記号をフレーズの文字と置き換えて変換します.
- 例: a=@に変換,iを!に変換 →「w@par!0531」
大文字と小文字を混ぜる
パスワードに大文字と小文字を混ぜることで,さらに強固なパスワードになります.例えば,「わパり0531」のうち,「パ」だけカタカナですので,これを大文字にしてみましょう.
- 例: 「w@PAr!0531」 → これで「大文字」「小文字」「数字」「記号」がすべて入りましたね♪
対象ごとにパスワードを変えるコツ
最後に,対象ごとにパスワードを変えていきましょう.例えば,以下のようにします.
- LINEのパスワード:LIを加える → LIw@PAr!0531
- Googleのパスワード:Goを加える → Gow@PAr!0531
- 楽天銀行のパスワード:raを加える → raw@PAr!0531
- 介護保険システムのパスワード:kaiを加える → kaiw@PAr!0531
これで,強力でそれぞれ違ったパスワードができあがり♪
簡単で忘れにくいパスワードのアイディア例
- 「息子の好きな食べ物はイセエビです」+息子の和暦=musutaI01→mu$ut@I4701
- 「家のペットは猫です」=HousePetCat→H0u$ePetC@t
- 「日曜日に公園で散歩する」=「Sunko3po」
もはやカオス・・・だけどこれならバレなさそう
パスワード管理のポイント
- 口で言いながらパスワードを入力する
- 最初は覚えにくいかもしれませんが,口で言いながら入力すると,すぐに覚えますよ
- パスワード管理アプリを使う
- パスワード管理アプリ(例:Googleパスワードマネージャーやロボフォームなど)を使うと,すべてのパスワードを一箇所で管理できて便利です.マスターパスワードだけ覚えておけば,他のパスワードはアプリが覚えてくれます.
- アプリを選ぶコツは,スマホ,タブレット,パソコン,Windows,Macなど,自分が使う環境すべてに対応したクラウドシステムがいいですね.
- 定期的に変更する
- セキュリティのために,定期的にパスワードを変更することも大切です.とセキュリティーの教科書には書いてますけどね...面倒ですよね.
セキュリティ強化に使われるもの
この際だから,よくある認証方法を知っておきましょう.
- ワンタイムパスワード
- 一度だけ使用できるパスワード.よくネット銀行で使われます.一定時間内でしか有効でなく,使い捨てのため安全性が高い.ハードウェアトークンとソフトウェアトークンとがあります.
- 二要素認証
- 通常のパスワードに加えて,もう一つの認証要素を要求する方法.例えば,パスワード+SMSで送られるコードや,パスワード+指紋認証.銀行のオンラインバンキング,楽天カードなどのクレジットカード,メールアカウントのセキュリティ設定.
- 生体認証(バイオメトリクス)
- 指紋,顔認証など,生体情報を用いて本人確認を行う方法.例:スマートフォンのロック解除など.
- パスワードレス認証
- パスワードを使わずに認証を行う方法.メールリンクやプッシュ通知による認証,FIDO2標準を使った生体認証など.例:MicrosoftのWindows Hello,AppleのFace ID.
- リスクベース認証
- ユーザーの行動パターンやログイン場所,デバイス情報などを元にリスクを評価し,追加の認証を求める方法.例:PayPay支払い時に,同じお店で同じ商品をすぐに買うと「この商品はさっきも買いましたが大丈夫ですか?」というアラートが届きます.
まとめ
パスワードを簡単で忘れにくい方法で作るためには,自分だけがわかるフレーズを使い,その頭文字を組み合わせ,数字や記号を加えることがポイントです.大文字と小文字を混ぜることで,さらに安全性が高まります.これで,パスワード管理が楽になり,安全にパソコンやインターネットを使うことができるようになります.
お疲れさまでした.機械が苦手な人のほとんどが,このIDとパスワード管理が苦痛だったと思います.最後まで頑張って見てくれましたね.
コツさえ覚えてしまえば,何てことはありません.今後もこういった変化は次々と現れるでしょう.私たちが仕事をする上で,IT業界最先端を身につける必要はありませんが,つかず離れず,できることから頑張っていきましょうね!
それでは,次の機会でまた,お会いしましょう.