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どんな働き方をしたいですか?

あなたは, なぜ”仕事”をしているのですか?多くの方は「生きていくため」「お金のため」と答えるでしょう しかし, 本当にそうでしょうか? 働く人を観察していると, 必ずしも生活のために仕事をしているとは限らないと思います 例えば, 次のようなことに共感しませんか?

  1. 家族との時間も大切にしたい
  2. 社会や地域福祉に貢献したい
  3. お客さまに「ありがとう」と言われたい
  4. 仲間と良い関係で働きたい
  5. 休みの日は“推し活”を楽しみたい

人間って勝手なもので, 衣食住に困らなくなると, 他の欲望がどんどん増してくるものです そんな時の, ”仕事のモチベーション”は人それぞれですが, 共通点があります
それは「感情」
仕事の目的には, 自分の感情=“こうありたい”という願いが必ずあります
生存のためには困らなくなった現代において, まずは「仕事の目的は, 自分が望む感情を満たすこと」と整理しておきましょう

今回は, 現代社会における「仕事のメンタルの持ち方」に焦点を当てて, お話ししていきます

思うように仕事ができないのはなぜ?

多くの方は, 仕事に対して「理想の働き方」みたいなものを持ってします しかし, 理想の働き方を邪魔されることが多々あります ちゃんと一人前に働きたいのに, 例えば

  1. お客さまやケアマネから, 仕事以外の要望をされる
  2. 自分の知識・能力がまだ足りない
  3. 家族の事情に振り回される

こんな阻害要因があると, モチベーションは下がってしまいますよね そんな時, ぜひとも覚えておいて欲しいスタンスがあります それは「問題解決の手段に, 感情は必要ない」という点です

手段に感情はいらない理由

「こうなりたい!」と思うあなたの目的(望む感情)と, その目的を実現する為の手段は別物です 手段はあくまで手段なので, そこにあなたの感情を持ち込むと, ややこしくなってしまいます 「どういうこと?」とお思いですか?

「他事業所との情報共有」という目的(望む感情)にシンプルな手段とは, 「グループLINE」です その他「Slack」「Teams」「LINEWORKS」などもありますが, 普及率が多いLINE連携できるツールが最適 シンプルな答えですよね だけど, 多くの事業所や医療機関では, 聞いたことないようなビジネスチャットツールをわざわざ採用します 多分「私, ITできます感」を出したいのでしょう そのために, 周囲の事業所は, そのアプリをわざわざダウンロードしなければなりません めんどくさい… それだったら, メーリングリストの方がまだマシ
これが「手段」に「見栄」という感情を持ち出し, 本末転倒になった例です ドキっとした事業所や医療機関, あるんじゃないでしょうか? あなたたちのことを私は言っているのですよ!

では, 介護の現場での例を見てみましょう

a. お客さまやケアマネが仕事以外のことを要求する
→ 正しい対応:「できません」と断る
× よくある失敗:断る勇気が出ず, 事務所にも相談できず, 一人で悩む

b. 自分に知識・能力が足りない
→ 正しい対応:必要なことを学ぶ・訓練する
× よくある失敗:やる気が出るまで待ち続け, 自己嫌悪へ

c. 家族に振り回される
→ 正しい対応:仕事を引き継ぎ, 必要な対応を冷静に済ませる
例:学校から呼び出されたら行く, 病院に連れていく 等
× よくある失敗:済んだことを悩み続け, 必要以上に休んでしまう

問題の解決に必要なのは「行動」
そこに「見栄」「億劫」みたいな感情を持ち込まない方がシンプルです

要するに
仕事の目的は“感情”
目的を叶えるための手段は“理性”で行う

シンプルにこれだけです

仕事に立ちはだかる「壁」

仕事の目的は「感情」ですが, 仕事の目的を果たすための「手段」に感情は不要 そういうことを, お話ししました では, 技能や知識が低い人が, どうすれば成長するのかを, 一緒に考えていきましょう

成長しにくい人の特徴

知識や技能が低い人が成長するためには, 「勉強」や「訓練」をすること 答えはとてもシンプルです だけど, 成長しない人は, 往々にして

  1. 臆病
  2. そのくせ頑固
  3. めんどくさがり

だったりします これらの共通点は“感情に左右され, 視点が低いままでいる”こと
なのに, 視点が低い人に限って, 見栄っ張りで賢い人の”ガワ”だけ真似しようとします だけど, そういう人は, 一生成長しません なぜなら, 視点が低い人は, 視点を上げなければ, 視点が高い人の世界が見えないからです

壁を乗り越える方法

視点が低いなら、視点を上げればいいだけです
視点は「勉強」と「訓練」でしか上がりません

“効率的に”“やる気が…”などと口で言うばかりで行動しない人は, 視点が上がらないままです
考えすぎず, 淡々と学んでいきましょう

具体的に何すればいいの?

ヘルパーがすべき自己研鑽

結論:感情は脇に置き、淡々と取り組むだけ

  1. 自分の単価を意識
  2. 会社の勉強会の内容を理解
  3. 訪問介護計画書・基本情報を読み込む
  4. どんなお客さまの所でも, まずは行ってみる
  5. スマホ操作を覚える
  6. 分からないことは質問

どれも難しいものではありません

「イヤ 身体介護を覚えたいんだけど…」
身体介護は何度も研修するより現場経験のほうが圧倒的に身につきます

多くのヘルパーに不足しているのは, まずは「コスト意識」です
訪問1回で会社にいくら貢献したのか? 給与との関係はどうか?
これを理解していれば, ブラック企業にはつかまりません

給与明細の内容が説明されない会社は要注意! 転職を検討しましょう

サービス提供責任者がすべき自己研鑽

  1. 会社の売上を意識する
  2. 赤本・青本を理解する(ケアマネ以上に詳しく)
  3. ケアプランの流れを理解する
  4. メール, LINE, PDF, Excel, ブラウザ, AIなどPCの基本操作
  5. チーム運営を学ぶ
  6. 分からないことは「調べ方」を学ぶ

赤本・青本の理解は必須です
ケアプランの流れ(アセス → 計画 → 実行 → モニタリング)に対応したサ責の動きを覚えれば, 業務は整理されていきます

PCスキルは独学で十分身に付きます
覚えられない人は, 能力ではなく「やっていないだけ」です

また, 「正解探し」つまり答えだけを他人に聞いても身につきません
“どこに書いてあるか”“どう調べるか”を学ぶことが, 成長の近道です

こんな人は上達しません

  1. NGのお客さま・ケアマネがいる
  2. 「自分のお客さま」と思い込む
  3. 会社から言われたことをしない
  4. 家族に振り回される

1つずつ, 解説します

1.NGのお客さま・ケアマネがいる

「人間だから合う・合わないがあるよね~」は感情 単なる言い訳です 仕事なんだから 感情は不要です

介護のプロなんですから どんなお客さんやケアマネとも仕事できるようにしましょう 嫌なお客さまがいても, 家族じゃないんだから, 訪問の1時間だけ「仕事」しましょう

2.「自分のお客さま」だと思う

感情移入しすぎると, 業務を超えた関わりになりがちです
私たちは仕事として関わっているのであり, 家族ではありません

3.会社で言われたことをしない

個人的なつきあいに感情を使うのに、学習だけはやらない——
これは成長しません

4.家族に振り回される

重症の場合は最優先でOK
だけど軽度な用事で仕事を大きく乱されるのは, 冷静さを欠いた状態です
家族に適切に対応できない人は, お客さまにも冷静に対応できません

自力で成長するために

仕事の目的は“自分の感情”で良い
けれど目的を実現する手段には“感情を入れない”

だから
「勉強」「訓練」「売上の理解」「基本書類の読解」「スマホ・PC操作」
これらを淡々と実行すれば、視点は必ず上がります

視点が上がれば, 知識と技能の壁を越え, 自力で成長できるようになります
その基礎づくりを, 今日から始めていきましょう