
何となくツラい

激しい心の痛みではないのだけれども
何となく心が重い
他人と会うのがツラい
朝がツラい
やる気が出ない
眠れない 食欲がない 理由もなく落ち込む――
こんなこと ありませんか?
それは「自分の心が弱いから」でしょうか?
いえ 違います
自分では意識していないけど 仕事が 学校が家庭が 社会の環境が変わっていませんか?
いや もしかしたら 気候が変わったかも・・・
精神的な問題は 自分に自覚がないだけに とても厄介ですよね
今回は「さまざまな環境の変化」と「思考する力」という視点から
あなたの心がどんなふうに動いているのかを
やさしく ひも解いてみたいと思います
「考えたい」という欲求

人間には誰でも 自然に湧いてくる「欲」があります
食べたい 眠りたい 遊びたい 動きたい・・・
「欲」はたくさんあります 俗に「108煩悩」と言いますが 人間の欲求はこんな程度ではありません 無限にあります

どうして無限にあるか? 例えば 「YouTubeを見たい」「Spotifyで音楽を聴きたい」という欲求は 2005年以前の人類にはありませんでした だってどちらもこの世に存在していなかったのだから・・・
このように 人間の欲求は 本人の状況や社会の環境などに応じて 無限に生み出されてくるのです
そして今日 ひとつ覚えて欲しいのが「考えたい」という欲求です
そうですよね そんなの聞いたことないですよね?
もしかしたら「自分は考えるのは苦手」と思っているかも知れません
だけど 何時間もジッとイスに座っていたら ちょっと背伸びをしたり 身体を動かしたくはなりませんか? もしかしたら あなたは無意識に”伸び”をしているかも知れません これは人間の根源的な欲求です 「エコノミー症候群」のように 人間は同じ姿勢を続けていれば 身体に変調をきたします
これと同じことが 脳の働きにも言えます
人間は 本能的に ボーッとしていれば その反動で自然に頭を使いたくなるのです
これは「思考欲」とも呼べる 脳の自然な働きです 誰でもあるのです

情報を整理する 意味を見つけ出す 人とつながる
こうした“考えること”には 実は脳にとって快感があります
問題をスッキリ解けたら 気持ちいいですよね?
それと同じです
私たちは 生まれつき 自然に「考えたい」と思ってしまうのです
「思考欲」ぜひ覚えてください
「思考の迷子」は環境変化から

環境に変化があると 人間は体調を崩すことがあります
職場や家庭の環境変化だと わりと分かりやすいのですが
天候が変わったりしても 体調を崩すことがあります
そして 身体だけでなく 心も ゆらぎやすくなります
この”心のゆらぎ”は 自分ではとても気づきにくいです
また 体調が不安定になると 思考スピードや 思考の方向性も変わりやすくなります
そんなとき あなたの「思考欲」は どこにもつながらないまま空回りしてしまうことがあります
例えば
不安 自己否定 焦り 未来への恐れ
心当たりありませんか?
こうなってくると いくら思考しても“スッキリ”しませんよね?
それどころか かえって自分を責める材料になってしまう――

こうなったらキツイですよね
ただし これらの悪循環に陥ったとしても あなたが悪いわけではありません
実は 環境の変化であったり 天候の変化がきっかけかも知れません
天候の変わり目が「うつ的な状態」の正体になる場合だってあるのです
考えすぎてツラい自分を 責めてはいけないのです
思考の「ゴール」と「方向」

他人に相談した時に
「あなたは考えすぎ!」だとか
「何も考えないように!」と
アドバイスを受けたことはありませんか?
でもあなたは ついつい考えすぎてしまうのですよね
これはいわば「本能」 どうしようもありません「何も考えるな」という方がムリです
というより 実は 悩んでいる時の人間は 思考が止まっているのです
あなたは 考えすぎているのではありません
あなたはあなたの「考えたい欲」にしたがって「思考」しますが
その 「ゴール」と「方向」を見失っているだけなのです
ゴールはどこ?
悩んでいるあなたは 考えすぎているわけではない 実は 思考が止まっている なぜなら「ゴール」を見失っているから どういうことでしょう? 例えば
勉強が好きな人の「ゴール」は何でしょう?
それは例えば
「解答を出すこと」
だったり
「知識を得ること」
だったりしますよね?
勉強が好きな人はそれだけで 満足します
それでは
あなたが何となくツラくて 悩んでいる場合の「ゴール」は何でしょう?
どうでしょう ゴールはありますか? ありませんよね
そうなんです 答えのない悩みや 自分の力ではどうしようもない問題について 悩んでいる時って ゴールが無いので あなたの脳は動いていないのです 止まっているのです
しかし その間もあなたの心はどんどん蝕まれていく
お分かりでしょうか?
ですから 解決の糸口として まずできることは
“ゴール”を作ること
なんです
でも「何となくツラい時のゴールって何?」とお思いですか?
それは例えば
話す 書く 描く 録音する つぶやく 絵で表現する 音楽で表現する
何でもいいんです 小さなことでもいいんです
まずは あなたの思考を“外”に出してあげる
それだけで 思考の空回りは少しずつ静かになり始め あなたの脳は休むことができるのです
「方向」はどっち?

勉強が好きな人の「方向」は何でしょう?
それは例えば
「物理学が好きな人はエンジニア」
だったり
「国語が好きな人は作家」
だったりしますよね
それでは
何となくツラくて 悩んでいる場合 あなたはどこに向かっているのでしょう?
そんなの ありませんよね?
そうなんです 悩んでいる時 あなたの思考は止まっているし その悩みはどこにへも向かわないのです ただボンヤリとした闇に堕ちて あなたの心は蝕まれていく
何ともったいない!
だったら
思考の向かう方向そのものを 変えてもいいのです
学者が頭がいいとは限らない ただ 思考の向かう先が研究だっただけ
企業家が頭がいいとは限らない ただ 思考の向かう先が会社経営だっただけ
あなたは 悩むために生きているのですか?
違いますよね?
人はみんな 幸せになるために生きている
だったら
今すぐ好きなことをやりましょう!
あなたの大切な思考欲を あなたの貴重な頭脳を
幸せになるために 使いましょう!
「そんなの無い!」って方
「悩みの答えを出す」ことから 「問いを持ち続ける」ことへ
「他人にどう見られるか」から 「自分がどう感じているか」へ
ちょっとだけ 方向を変えてあげればいいんです
「今まで悩みはなかったのに・・・」って方
今までのように考えられなくなった時は
あなたの中で 思考の方向が変わろうとしているときかも知れません
その心境の変化は 悪いことではありません ごく自然な変化なのです
新しいあなた

ここまで見てくださって ありがとうございました
あなたには これを見ているたった今現在も「考えたい」という力が残っています
「いや 自分は考えるのが苦手だから」というのは違います
他人が賢く見えるのは その人の思考のゴールと方向が ハマっただけです
人間の脳なんて 大した違いはないのだから・・・
あなたが悩んでいる時
それは あなたがまだ
「つながりたい」だとか「意味を見つけたい」と願っている証です
環境や天候にゆらぐ心は 壊れた証ではありません
それは あなたの中の感受性が ちゃんと働いている証です
だから 「うまく考えられない自分」を責めるのではなく
「考え続けている自分」を そっと抱きしめてください
ゆっくりで 大丈夫 今のあなたのままで大丈夫
これを見ているのが うちの従業員なら 少なくとも私はあなたのことが 大好きです
別の方でも きっと あなたを大切に想っている人がいます
そして
あなたの思考は きっとまた 新しい方向に向かっていきます