主な感染症の分類
分類 | 名称等 | 部位 | 防御法など |
---|---|---|---|
ウイルス | インフルエンザ | 肺 | 吸い込まない |
ウイルス | コロナウイルス | 肺 | 吸い込まない |
ウイルス | ノロウイルス | 腸 | 口に入れない 加熱調理・手洗い 次亜塩素酸Na |
ウイルス | 水痘ウイルス (帯状疱疹・ 水ぼうそう) | 喉鼻 | 吸い込まない 一度かかった人には うつらない |
ウイルス | 肝炎(B・C・D型) | 肝臓 | 血液に触れない |
細菌 | 肺炎球菌 | 気道 | 抗生物質 |
細菌 | 結核 | 肺 | 吸い込まない |
細菌 | レジオネラ菌 | 肺 | 人から感染しない 高温 24H風呂・加湿器を こまめに洗う |
細菌 | 大腸菌(O157など) | 腸 | 高温 加熱調理 |
細菌 | MRSA (メシチリン耐性 黄色ブドウ球菌) | 皮膚 消化管 傷口 | 加熱調理 |
真菌 (カビ) | 白癬菌(水虫) | 皮膚 傷 | 熱 触れたら洗う |
虫 | 疥癬(ヒセンダニ) | 皮膚 | 殺虫剤 触れたら洗う |
病原体の多くは入り口は1つ!
病原体といっても 生き物です 悪魔のような空想のものではありません 生き物である以上 住める場所と食べ物が必要です
上の表をみていただければわかると思いますが そのほとんどが 呼吸器・消化器・血液・皮膚に分けられます 要するに 生きた状態で入り口に入れなければ さほど恐れなくていいのです
例えば インフルエンザウイルスの入り口は肺です ということは 吸い込まなければ 例え食べたり飲みこんでも大丈夫なのです(まぁ普通しませんけどね)
- 病原体も生き物
- ほとんどの病原体の入り口は1つしかない!
色々ややこしいこと覚えなくてもOK
感染経路・好発部位・潜伏期間・典型的な症状・ワクチン・治療薬などなど 専門的なことは偉い学者さんに任せましょう
上記のように 介護に関係するほとんどの病気の入り口は 呼吸器・消化器・血液・皮膚
だったら その対策をしっかり覚えましょう
- 呼吸器:吸い込まなければOK
- 消化器:食べなければOK
- 血液:直接 触らなければOK
- 皮膚:直接 触らなければOK
簡単ですね
日常の対策
それでは具体的な対策法をみていきましょう
分類 | 病気の入り口 | 対策法 |
---|---|---|
呼吸器 | ノド・鼻・肺 | 手洗い・うがい・吸い込まない・マスク・換気・温度と湿度を保つ・風呂や加湿器は定期的に洗う |
消化器 | 食道・胃・腸・十二指腸 | 手洗い・うがい・しっかり加熱調理・食材や食器を清潔に・必要に応じプラスチックグローブ |
血液 | 血液・傷口 | 直接触れない 他人の注射針や傷口に注意する 必要に応じプラスチックグローブ・エプロン |
皮膚 | 皮膚・傷口 | 直接触れない 触れたらしっかり洗う 衣類・布団類はこまめに洗う 必要に応じプラスチックグローブ・エプロン |
簡単ですね あたりまえのことを当たり前にしていれば わりと大丈夫なものです
感染症が発生したら
感染症の流行が確認されたら 事業所の方で情報を集めます 危険度に応じ「注意」「警報」「流行感染」の順に警戒の度合いを強めて注意を促します 感染症におけるBCPはこちらをみてください
未知の感染症については 対策法が分かり次第 随時お伝えしますので その都度LINE WORKS等を確認してください
アルコール消毒の落とし穴
石鹸手洗いの方が有効です
コロナウイルスですっかり身近になったアルコール消毒ですが 過信しないでください 巷にあるアルコール消毒の有用性はあくまで同じ時間の比較です
時間 | 石鹸手洗い | アルコール消毒 |
---|---|---|
15秒 | 1/4~1/13 | |
30秒 | 1/60~1/600 | 1/3000 |
1分 | 1/10000~1/30000 |
この図を見れば アルコール消毒の方が圧倒的に減少効果が高くみえますよね だけど 勘違いしないで
30秒間もアルコールで手を消毒し続けますか? せいぜい10秒もすれば長い方ですよね
アルコール消毒は手洗いの代わりにはなりません 石鹸手洗いの方が 有効であることを忘れないで
- アルコール消毒より石鹸手洗いの方が有効
- 石鹸手洗いの後のアルコール消毒の必要はない
- あくまで石鹸手洗いできない場所でアルコールを使う
ぜったい次亜塩素酸ナトリウムを手指消毒に使わないで!
コロナですっかりおなじみ次亜塩素酸ナトリウム 今やあちこちの施設に置いていますが これを手指消毒に使わないで下さい 高校で化学を習った人なら知っていると思いますが 次亜塩素酸ナトリウムは強アルカリです 皮膚が溶けます 目に入ると失明します
施設に置いているものは 0.05%に薄めているので そこまで心配いりませんが 要するに「強アルカリ」ということを忘れないでください
ノロウイルス対策にもよく使いますが 主な用途は トイレ・手すり・ドアノブ・衣類など 物の消毒に使います 人には使いません
参考
介護職員のための感染対策マニュアル(厚生労働省)