「落ち着いて適切な判断を!」

在宅や訪問系のサービスの大きな特徴は基本的に一人で行動することです。緊急事態は、予期せず起こりえます。そんな時のために、あらかじめマニュアルを頭に入れておきましょう。

緊急時の手順

  1. いつもと違う!
  2. 環境確認(近づいても安全か、周囲の確認)
  3. 体調、意識の確認 - 意識がなければ、救急車の手配!(心肺蘇生マニュアルはこちら
  4. 「救急」、「消防」、「警察」かそれ以外かの判断
  5. 緊急性がある場合は、処置を行う
  6. 緊急性がない場合は、事務所、家族、ケアマネに連絡。
  7. でき得る処置を行う。
起こりうるケース
  • 転倒・転落・滑落
  • 誤飲・ムセ込み・誤嚥・誤食
  • 誤って服薬、点眼、塗布、貼付
  • 火傷
  • 食中毒・感染症
  • 病気による急変
  • 浴槽内で溺れる、入浴時のヒートショック
  • 小火(ボヤ)、火事
  • 紛失、破損
  • 行方不明
  • 事故
  • 自然災害

一つ一つ挙げればキリがありませんね。まずは、緊急性があるか、そうでないかの切り分け、判断を行いましょう。

救急搬送(119番)が必要な場合

命に関わる場合、もしくは、重大な後遺症に関わる場合は、即座に救急車(119番)に連絡しましょう。時間帯によっては、救急医療電話相談(延岡市を含む宮崎県北地域)という方法も考えられます。

救急搬送が必要なケースは、概ね次の通り

  • 命にかかわる
  • 重大な後遺症にかかわる
  • 心肺停止
  • 反応がない
  • 骨が見えているような骨折
  • 大量出血
  • 激しい痛み
  • 40℃近い高熱

延岡市119番マニュアルへのリンクはこちら

延岡市夜間急病センターはへのリンクこちら

救急医療電話相談へのリンクはこちら

救急車を呼ぶのに注意する点

政府広報オンラインに次のような情報があります。あらかじめチェックしておくといいですね。

もしものときの救急車の利用法 どんな場合に、どう呼べばいいの?

こんな時は、救急車じゃない!
  • そもそも迷っている・・・迷う余裕があるなら、主治医に相談
  • 本人・家族が救急搬送を拒否する・・・命に関わらない場合は、主治医に相談
  • 寝たきりで運べないだけ・・・福祉(介護)タクシーを呼ぶ
  • なんとなく不安・・・主治医に相談
  • 総合病院で診察してもらいたい・・・当該病院に相談
  • 明らかに死後時間が経過している・・・警察に連絡

救急車を呼ぶ場合は、概ね次のようなことを聞かれますので、あらかじめ心の準備しておきましょう。

  • 正確な住所(区画整理で番地が変わった地域は要注意!)
  • 周囲の目標物
  • 持病・既往症・主治医・かかりつけ医
  • 現在の症状や経緯
  • 家族の連絡先
  • 救急車に1人は同乗を求められます

消防隊やレスキュー隊(119番)が必要な場合

  • 火事・・・当たり前ですね
  • 高所や狭い場所に閉じ込められた場合
  • 認知症等のお客様が、危険な場所にいる場合
  • 土砂災害等で閉じ込められた場合

私は以前、施錠とドアチェーンをしっかりとした高齢の女性が体力低下し、歩けなく声も聞こえずに意思疎通できない状況で、誰も家に入れなかった場合に要請したことがあります。

警察(110番)が必要な場合

  • 明らかに泥棒が入った場合
  • 明らかに詐欺被害等に遭った場合
  • 死後時間が経過していることが明らかな場合
  • 虐待が明らかな場合
  • 交通事故やひき逃げを目撃した場合
  • ケンカしている人や悲鳴を聞いた場合
  • 迷子の人を見た場合
  • その他、法令に明らかに反している人を見た場合

※ちなみに、訪問系の介護サービスをしていると、高齢者の「物盗られ」の訴えはよくあることです。私は10年以上介護に関わっていますが、本当の盗難に遭遇したケースは一度もありません。確率の問題なのでしょうが、注意が必要です。

緊急性の低い場合

連絡の優先順位

  1. 担当サービス提供責任者
  2. 管理者
  3. 会社
  4. 担当ケアマネージャー・家族・訪問看護・かかりつけ医・後見人等

※ケースによっては、ケアマネや家族、訪問看護・かかりつけ医が優先される場合もあります。恐らく訪問前に担当サービス提供責任者から説明があると思いますので、あらかじめ確認しておきましょう。

でき得る処置を行う

連絡をした後に、然るべき処置を行います。手当や避難等を行いましょう。ちなみに、医(療)行為にあたらないものは次の通りです。

  • 体温測定
  • 血圧測定
  • パルスオキシメーターの装着
  • 軽微な切り傷、擦り傷、やけど等の処置
  • 医薬品の使用の介助(一包化された内服薬の内服・舌下錠も含む、軟膏塗布、湿布の貼付、点眼、座薬挿入、鼻粘膜への薬剤噴霧)
  • 爪切り(ニッパーを使わない)・やすりかけ
  • 耳掃除
  • ストマ装具のパウチに溜まった排泄物を捨てる
  • 自己導尿の補助のためのカテーテル準備、体位の保持など
  • 市販の使い捨て浣腸器による浣腸


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